ぐらすかわさき 10年のあゆみ


ぐらす・かわさきの歩みを年表形式でご覧ください。

(設立10周年を記念して作成された記念誌より抜粋)


10年の取り組み紹介

過去の様々な取り組みを記録集から抜粋して、10年の実績をご紹介いたします。





◆商店街との連携

遊友ひろばは国・県・市の商店街活性化事業補助金をもらって開設しました。登戸東通り商店会では年3 回わくわくナイトバザールを開催しています。その企画として沖縄ナイトと称して、地域のエイサー同好会にエイサーでまちを練り歩いてもらい、ひろばは「一日沖縄ライブハウス」を開店、阿波踊りのグループを紹介する時もあり、イベントのコーディネート役を、近頃はお祭りで使用する食器にリユース食器を貸し出したり、エコ宣言した商店会の推進役を担っています。また魚屋さんに「魚のさばき方教室」、ケーキ屋さん

に「お菓子つくり教室」など、各店の協力を得て、プロの技を学ぶ講座も開催しました。 


◆コーポラティブ住宅に関する取り組み


共同オフィスの建設を模索してコーポラティブ住宅の学習を始めました。原田基金の有効活用案として、共同事務所建設構想がありました。NPO などが1坪程度の事務所を持ち、共同で会議室やコピー機などを利用できるような共同オフィスの建設。その実現化を模索して、コーポラティブ住宅の学習が始まりました。連続学習会、ワークショップなどを通じて、川崎市へ提言を提出。またスタディツアーとして関西のコーポラティブ住宅の見学をしました。ここには研修テーマが同じだった川崎市の若手職員も参加しました。これまでの活動は現在コーポラティブ住宅を作りたいグループへ引き継がれました。


◆まちなかゼミ・ふるさとマップ

遊友ひろばは登戸区画整理事業区域の中にあります。区画整理事業を考えよう、と近くの明治大学建築科の先生たちと協働で、まちの人々が「下駄ばきで通えるゼミ」を5 回行いました。また、2006 年には長寿社会開発センターから助成金を受け、子どもたちと一緒にお年寄りにお話を聞きながら、区画整理で変わっていく自分たちのまちを歩き、ふるさとマップをつくり、また市へ提案をしました。


◆学習会の取り組み

人々が集まり情報を得、共有できる場という空間をつくること。ぐらす・かわさきのコンセプトを伝えるものとして、設立プレ講座パート1 「人間っていろいろ、だからおもしろい< つながる> をキーワードとして」7 回(在日コリアン、同性愛者、ダメ連などマイノリティに注目)、パート2「情報公開で見える川崎」5 回を開催しました。設立時から現在も続いている毎年の川崎市予算学習会、講師も最初から同じ市の職員の方です。

憲法学習会、持続可能な地域づくり学習会、その他初期にはバスをチャーターして、「足尾銅山」と「松代大本営跡地」へ2 回スタディツアーを行いました。


◆たちばなブランド創出事業

都市の中の農のある暮らしを残したい、活かしたい。川崎は古くは江戸の台所として、多くの田畑がありました。そして現在も市街化調整区域など、農地が比較的多く残されたスポットがあるのです。高津区たちばな地区にはキャベツ、トマト、白菜など品質の高い農産物がたくさん栽培されています。


◆地域の縁側「遊友ひろば」

地域のたまり場のような、縁側のような空間が“ 遊友ひろば” です。

赤ちゃんとお母さんが集まっておしゃべりしたり、お年寄りと若い子が一緒にお昼ご飯を食べていたり。赤ちゃんからお年寄りまで、まちの中のいろんな人たちが気軽に集まっておしゃべりしたり遊んだりできるところ…。そんな地域のたまり場のような、縁側のような空間が“ 遊友ひろば” です。

豊かな地域力・市民力を発揮するためには、暮らす人たちが出会い、支えあうための「場」が欠かせません。そんな“ たまり場” として、川崎・登戸の商店街の一角に「遊友ひろば」を開設・運営しています。

さまざまな使い方で

健康麻雀は「お金をかけない」「お酒を飲まない」「たばこを吸わない」を守り、ゲームを楽しむことをコンセプトに開催しています。「ボケ防止」「認知症予防」「引きこもり防止」など高齢者の課題解決に一役かっています。

週1回の「寺子屋」は、所得の格差→教育の格差という課題の解決をめざし、学びの楽しさを感じて欲しい、というコンセプトで、1回ワンコインで参加できる教室を行っています。

「歌声サロン」「造形絵画教室」「気功教室」や、市民活動の会議の場所、パーティ会場など、貸しスペースとしても使われています。

「土井さんのマクロビオティック料理教室(不定期開催)」は、当初「皆で作って一緒に味わう昼食会」としてスタートしたプログラムが、ニーズによって変わったものです。


◆コミュニティ・ビジネス支援

社会や地域の課題を解決する事業がこの地域にたくさん芽生えることを支援してきました。社会や地域の課題を解決する事業がこの地域にたくさん芽生えることを支援社会全体の経済成長が止まり、時代に即した課題に対応する事業が新たに求められており、「仕事」についての考え方も徐々に変化してきています。「仕事をするなら、収入よりも、やりがいを感じられる仕事をしたい!」という人も増えています。社会や地域の課題を解決する事業、地域の資源を活かす事業がこの地域にたくさん芽生えることを支援しています。一人ひとりが自分を活かし、地域特性にあった事業をどんどん展開し、それが継続的に回っていくこと、それによって住みやすく魅力あるまちになっていくことを願いつつ、コミュニティビジネスの支援事業に取り組んでいます。

コミュニティビジネス相談・起業講座(現在は行っていません)

コミュニティビジネスを始めたい人、就業したい人や、起業後間がなく、運営方法で悩んでいたりネットワークづくりをしたい人などを対象に、相談を受けたり、講座やフォーラムの開催を行ってきました。「想い」を人に話すことから始まり、少しずつイメージを固め、事業プランまで作りこむまでをお手伝い。みんなで刺激を受けあって学びあう講座では、多くのネットワークをつくることもでき、仲間や協力者を得るきっかけにもなりました。


◆地域通貨たま・ぐらすレター・ぐらすサポート基金

「ともすれば市民を置き去りにして政治が進められていく社会を、それぞれの暮らしに根ざした、市民による市民のための社会に変えたいと思います。そのために、市民自治の力を育む場として」(設立趣旨書)設立されたのがぐらす・かわさきです。

「市民活動はアメーバーのようなもの」と言った人がいました。あるところで問題提起をして、それに共感した人が集まって運動を起こす、それが解決したら通常に戻り、また誰かが問題提起をして共感した人が運動を起こし……、そんな中で感度の良いアンテナを手に入れた市民の緩やかなネットワークを広げていく、そのようなことをめざして活動してきました。

ぐらすレター

2001 年6 月に創刊。ぐらす・かわさきの活動報告や市民活動の情報提供を主に、会員からの投稿などを掲載し、1 年に10 回発行、2011 年6 月に100 号になりました。創刊号から毎回掲載した「身近なインタビュー」は、34 号まで自分たちのまわりにいる34 人の素敵な人を紹介しました。同じ創刊から続いた「学校の現場から」は2006 年まで22 回、川崎市立小学校の教師集団が順番に書いてくれました。

2020年3月現在は、年4回(3,6,9,12月)発行しています。

ぐらす・サポート基金(現在は行っておりません)

くらしやすい地域社会をつくる活動の助成金として2004 年に創設しました。第1 期は遊友ひろば開設に合わせて、ひろばを使ったイベント助成として10 団体に助成(各5 万円)、主なイベントは「乳幼児のためのクリスマスコンサート」「秋田の民話ときりたんぽの夕べ」「竹ベンチを作ろう」など。

2005年からはこちらのような助成を行いました。この中で企画書作成講座やプレゼンリハーサル講座を開催し、また選考会では団体同士の交流会を行い、資金援助だけではないサポートをめざしました。

選考委員には理事2 名の他、川崎信用金庫調査部長、多摩区福祉協議会職員、環境ジャーナリストなど外部の方に入ってもらいました。